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旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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G.ガルボの≪グランド.ホテル≫

あんな昔のグランド.ホテルってどんなの?≪グランド.ホテル≫ (6) 5月28日(水)

数年前、日本のテレビで”ホテル”ものが流行った。
1933年に制作されたホテルもの映画。
   ≪グランド.ホテル≫.
ひとつの限られた舞台で、それも様々な人間模様を
立体的なドラマに組みたてる時に
グランドホテル形式などという言葉もこの
アメリカ映画から生まれた。

ホテルもの映画の古典であり、その豪華キャストと
まさにグランド.ホテルという様式美は素晴らしいもので、
この種の映画の代表作となった。

バリモア兄弟ーーー兄、ライオネル.バリモアとジョン.バリモア.
グレタ.ガルボ
ジョン.クロフオード

アメリカ映画はこの種の映画を作らせると俄然輝く。
スタッフの層の厚さであろう。

フランス映画ではこういう映画は作れない。
何故なら、フランス映画は一人の優れた作家の眼と手腕で
作られる場合が多いからで、アメリカのように多数の人々が
参加して作るといった伝統がないからであろう。


ジョン.クロフオードも晩年、化け物女優になるとは
思えないほどまだ、美しい。

グレタ.ガルボハ言わずもがなである。

ストーリー

ベルリンのグランド.ホテル、その名のごとく、
巨大なこのホテルには様々な人間たちが出入りしている。

現代の我々にも当てはまるように、みんなそれぞれ
何がしかの影を背負っている.

その客の一人、経済界の大物、ブレージングは
最近事業が上手くいっていなくて、他社との合併によって
危機を乗り越え様と苦心していた。

美しい踊り子グルシンスカヤ(グレタ.ガルボ)は
かっての華やかさはなくなり人気も落ちて、
本気で自殺を考えていた。

ガイゲルン男爵(ジョン.バリモア)は賭博で持ち金全部を
失い、盗賊に身を落として、ひそかにグルシンスカヤの
宝石を狙っていた。

元ブレージングの会社員だったクリングライン
(ライオネル.バリモア)
は、ガイゲルン男爵や、美しい速記記者フレムとも親しくなった。

フレムヘンはブレージングの専属の速記者である.

ブレージングは会社合併に失敗し、気分転換にとフレムヘンを
旅に誘った。

ガイゲルン男爵はグリンスカヤの部屋へ忍びこみ、
宝石を狙うが、運悪く見つかってしまう。

あなたを愛するあまり訪ねて来たのだと、嘘の求愛でその場を
誤魔化した。

それは必ずしも嘘ではなかった・・

彼は翌朝、盗んだ宝石を彼女に返して、真実を告白、
改めて愛を告げた。

人生に希望を見失いかけていたグリンスカヤだったが、
その告白は彼女の心に灯りをともした。

二人はホテルを発つ事を約束した。

男爵は最後の一仕事にと...ブレージングの部屋に
忍び込んだが、発見されて乱闘となり、殺されてしまった。

たまたま現場を目撃したクリンゲンラインが警察へ通報。
ブレージングは殺人の容疑者として連行されていく。

フレムヘンはといえば、雇い主もいなくなって
速記の仕事が出来なくなりクリンゲンラインと共に
新しい人生を求めてパリ行きを決意する。

男爵の死を知らないグルシンスカヤは、今までにない
明るい足取りで鼻歌など唄いながら、新しい生活を夢見て
ホテルを出ていった.

だが、時を同じくして、男爵の亡骸はホテルの裏口から
密に、運び出され火葬場へと向かっていくのであった。

巨大なこのホテルは昨日のまた今日の出来事を呑み込んで
そして吐き出して、一日が終わり、
明日の出来事を待っている。

悲劇も喜劇もぜーんぶつめ込んで、何事もなかったように
過ぎていくのである。

整形美女のように美しいガルボであるが、
なぜか人間らしい表情に乏しく私はあまり魅力を感じない。

名優、兄のバリモアは≪我が家の楽園≫の老人とは
一味違うこれまた名演技であるし、
弟バリモアは二枚目を演じて好演。

1933年のグランド.ホテルーーー滞在してみたいなあー.






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